伝統和芸鑑賞会:小江戸蔵里八州亭

2019年7月13日(土)

今年二度目の伝統和芸鑑賞会、昨年に続き、能楽師の粟谷浩之氏にご出演いただけたので、能管についての時間を多くとった内容のものを致しました。

個人的に、私自身がどのように能の笛と出会ったか。民話に篠笛を入れるお仕事をさせて戴いている中で、日本語の言葉と楽器との関わりを古典の中に探している時に能楽と出会ったこと。能楽の謡と囃子は、謡に平行旋律的につけていく音と、舞の為の八拍を基本とした曲があること。前者の中から船弁慶の中入部分の送リ笛と、後者の中から、月宮殿(鶴亀)、天鼓、枕慈童(菊慈童)、邯鄲、といった中国を舞台とした演目の中に出てくる「楽」、これを説明付きで演じさせていただきました。能の題材は、人間の想像力めいっぱいな世界を表現しているものも多く、今回は少々言葉での説明も加えさせていただきました。ほんの一端ですが、お伝えできていれば幸いです。

 

粟谷先生には、普段の能楽堂よりはずいぶんと小さなスペースで、一噌流の笛 一管で、と何かとご無理をお願いしましたが、初めて能の謡や舞を見聞きしました、というお客様も多かったようです。ご協力に心より感謝申し上げます。

2019年07月14日