第七回 高麗神社観月祭
高麗神社の観月祭で奉納演奏させていただきました。
本年は中秋の名月がまさに満月となる何年かに一度の機会です。
ご本殿で、宮司さまの正式参拝の後、演奏の時間をいただきました。
共演は長唄囃子の望月左武郎氏でした。
渾身の演奏、宮司様はじめ、毎年お世話になっております神社関係の皆様が間近で聴いてくださり、嬉しかったです。また、この催しをとても大切にされていることが全体を通して伝わって来ました。
このところ欠かさず演奏を聴きにきてくれる群馬友笛会の面々、お久しぶりの地元の生徒さん、
ほかにも、もちろん高麗神社の行事のファンの皆様・・・100名の客席は随分早くから満席だったと伺っています。
肝心のお天気は曇り模様でしたが、演奏終了後、お茶とお菓子をいただきながら、レースのような雲間から時々差す月光が神々しく、素晴らしい一夜となりました。
高麗王若光が御祭神のこちらの神社、上皇陛下が天皇陛下でいらした最後の頃に、彼岸花をご覧になりにお忍びでいらしたことのある地です。終演後、現・宮司さまと少しお話しさせていただきました。楽器の話や、個人的につい先日初めてお伊勢さんに足を踏み入れた体験などもお聞きいただきました。
後日談をひとつ。共演くださった望月先生とこの日、横笛と鼓のための”阿修羅”を演奏しました。途中に即興演奏が入る曲なので、毎回少しづつ演奏が違います。望月先生の鼓に、この日はなぜか「三つ拍子」の手が飛び出しました。この手は猿田彦が出てくる時に使われる手だそうですが、あとからこちらの神社のご祭神の一柱に猿田彦命とあると知ってびっくりなさったそうです。
三つ拍子に現れ出でし猿田彦変幻自在の鼓の音色
奉納の舞台に臨む観月祭場の演奏を育む不思議