篠のひびき 2024

2024年11月28日(木)14時~



ウェスタ川越で4回目となる、「篠のひびき」を開催しました。

昨年(2023年)横浜能楽堂や、小江戸蔵里や、高麗神社の観月祭でご一緒していただいた、長唄囃子の大ベテラン、望月左武郎師、そして、今年(2024年)の5月に久しぶりにご一緒させていただいた金子弘美氏をゲストにお迎えしました。

演奏だけではないあらゆる準備がめっちゃ大変ではありましたが、結果的には私自身がワクワクできる幸せな会となりました。ご来場くださった皆様、心を寄せてくださった皆様、支えてくれるスタッフに心より感謝!です!!いただいた花束・・「本卦還りのお祝いです」と言われてしまいましたが😢😢大感激です😢😢

 

このところウェスタ川越にはよくお世話になっている感があります。

一ヶ月前の10月11日にも、生徒さん達の発表会をここでしました。

2019年丹徳庭園、2022年(令和4年)の蓮馨寺講堂、に続く、3回目の川越友笛会の発表会で、遠方からのご参加もあり、とっても盛り上がりました!皆さんがご自分の上達を実感できるこういう会はこれからますます需要が増えるのではないか、と思っています。

 

で、話しをもとに戻して「篠のひびき」です。

こんな内容でお送りしました。

 

       プログラム
まほろば      鯉沼廣行作曲      篠笛二重奏
凍 星       狩野嘉宏作曲      篠笛独奏
かむなぎ      金子弘美作曲      篠笛独奏
お江戸日本橋    日本古謡 金子弘美編曲 篠笛二重奏
竹の唄       六代目福原百之助作曲  篠笛二重奏

        ー休憩ー
山童(やまわらべ) 大野利可作曲      篠笛/木鉦/締太鼓/小鼓
篠の羽衣      大野利可作曲     篠笛/楽太鼓/締太鼓/小鼓
鼓とお話し 三番叟より 望月左武郎
横笛と鼓のための”阿修羅”鯉沼廣行作曲    能管/篠笛/小鼓

 

最後の曲「阿修羅」は、私の初めてのリサイタルともいえる、2002年の矢来能楽堂での「篠の音」と題したコンサートで演奏した懐かしくも永遠の憧れの曲です。ここ2年、何度か演奏できる機会が得られて有難い限りです。途中、即興演奏が入る部分があり、毎回違う演奏をお届けしてきました。ドラマ性のある内容をどこまで言葉に頼らず演奏で伝えられるのか、いつも課題です。

望月氏の鼓のお話しは、いつも大人気です。この楽器をこれだけ自在に扱って、しかもユーモアたっぷり、いつも「さすが!」と思います。

プログラムの後ろから遡っていますが、「篠の羽衣」は、90歳を超えられた笛仲間、山梨の山口徹氏のご依頼で作ったものです。能の「羽衣」をベースに篠笛で演奏できるものを工夫しました。発表会などの場で何度か演奏してきました。今回は、望月氏のアイデアでここでしか聴けない独特で素晴らしい演奏になったと思います。

「山童」山の中で動物と子供が戯れている場面、神様が降りて来て舞を・・そんな風景を思い浮かべていただければ、というものでした。ずいぶん永いことさせていただいている曲のひとつです。

 

金子弘美氏とは同じ師を持つきょうだい弟子です。頼れる先輩、信頼できる共演者です。

笛を吹く上で、何も言わなくても、当たり前と思うことが同じ、と勝手に思っています。

又、使用しているのが同じ朱雀管ということもあり、二重奏はどちらがどちらか分からなかったというご感想もいただきました。

二重奏だけでもコンサートいくつかできる気がしますが、今回の休憩前のプログラムはまさにそんな感じ、候補曲は山のようにあるのですが、そこから絞って、でした。

 

曲の解説とは別ですが、今回、MCでお話ししたことをここにも書いておきます。

今年(2024年)6月に、スペインのカミーノデサンティアゴ、星にに導かれて聖ヤコブの遺骨が何世紀も経った後で見つかったという伝説を持つサンティアゴデコンポステラをめざす巡礼の道を120km、歩いてきました。私の稽古場のひとつである加須市保寧寺の小崎無一和尚さんとご一緒に、行く先々の教会で奉納の演奏をしながらの旅でした。私の一生の中でも稀有な体験となったと思っています。いろいろな国の方との出会いの旅でもありました。最後のサンティアゴデコンポステーラでは、ポルトガルのリスボンから来たというフルート奏者の方からもお声がけいただいて、とても嬉しい気持ちになりました。現地で一番吹いて来たのは「いにしへを」という曲でしたが、「竹の唄」なども私達のレパートリーのひとつでした。

星に導かれて・・という伝説にふさわしい「凍星」という曲がステキだと思い、帰国後練習をしました。

作曲者の狩野嘉宏氏が会場に来てくださっています。大変緊張しますが・・・

そして、カミーノデサンティアゴと、日本の熊野古道は両方とも世界遺産道ということで、今は姉妹提携している関係だそうです。私も両方のスタンプを集めて歩きました。6月の出発を見据えて、春、菜の花の咲く近所の土手を少し歩きました。その時に頭に浮かんだ曲が「お江戸日本橋」です。昔の人は移動するには歩く!よく歩いたのでしょう。金子氏編曲のものはまだ聴いたことのない方が多いかもしれません。

そんなこんな、なコンサートでした。

アンコールには、熊野古道、紀州のみかんになった毬を思い浮かべながら「毬と殿様」を三人でお届けしました。また?と言わないでくださいね。演奏者が違えば同じ演奏は二つとないのですから。

信頼するエンジニアの手による録音を残しました。・・・・公開されるかどうかは改めて。

2024年12月01日